太宰治の「燈籠」を読みましたので、感想を書いていきたいと思います。
太宰治の小説を読もうと思ったきっかけ
これと同じタイトルで、同じ出版社から出ている本を買ったんですが、私のものとは表紙が違っています。
(私のは、セーラー服の女の子の絵が描いてある)
はてなの商品リンクでは出てこなかったので、こちらを貼っておきますね。
角川文庫から出ている【太宰治 女生徒】
太宰治の短編が14編入っています。
Amazonで「寺山修司 少女詩集」を買おうとしていたときのこと。
「関連する商品」にこの本を見つけて、タイトルが気になったので試し読みしました。
灯(燈)籠(とうろう)
油、ろうそくなどの灯明をほや、かごなどで保護する具。
※「燈」は灯の旧字
「燈籠」は1937年(昭和12年)に発表された作品で、本のいちばん最初に収録されています。
言えば言うほど、人は私を信じて呉れません。
逢うひと、逢うひと、みんな私を警戒いたします。
ただ、なつかしく、顔を見たくて訪ねていっても、なにしに来たというような目つきでもって迎えて呉れます。たまらない思いでございます。
最初のこの部分だけで、話の中にスーっと引き込まれました。
昔の小説は日本語が美しいと思う。
場所を取るのがイヤで、本は絶対にkindle派の私
でも時代を感じる小説は、指でめくって読みたいと思いました。
ということで紙の本を買うことにしたんだけど、Amazonで注文した場合、手元に届くのが4日後との表示が。
本は読みたいと思ったときに読まないと、意味ないんだよ!!
というのが私の持論です(笑)
次の日に、遠くの本屋まで買いに行きました。
外に出るのが久しぶりだったせいで、足が筋肉痛になっちゃった。
太宰治の作品は無料で読める!
太宰治の作品は、彼の死後50年(1998年)が経過し著作権が切れたことで、現在ではインターネット上で自由に読むことができます。
恋する乙女のあやまち
あらすじ
貧しい下駄屋の娘「さき子」は、通っている病院の待合室で、年下の青年「水野」と出会い、一目ぼれする。
徐々に会話を交わすようになった二人。
ある時「友人と海水浴へ行くことになってしまった」とうちひしがれる水野の気持ちを察したさき子は、店で男物の海水着を盗んでしまう――。
読み終わって最初に感じたのは
水野は思いやりのない男だなーということ。
早とちりとはいえ、さき子はあんたのためを思ってやったのに、その気持ちを、少しは汲んでやりなさいよと言いたくなった。
二人が初めて出会ったとき、お互いに眼帯をしていて、片目でしか相手が見えていないんですね。
読み返してそのことに気付いたとき、昔どこかで聞いた
結婚前は、両目を開いて相手を見る。
結婚後は、相手に対して片目をつぶる。
という言葉を思い出しました。
ああ、覗くなら覗け、私たち親子は美しいのだ
さき子の恋は実らなかった。
でもこの力強い言葉に、家族三人、確かな幸せがそこにあるのだと心の中が明るくなったような気がしました。
出典
太宰治 著「燈籠」
角川文庫「女生徒」より
「灯籠」とは
精選版 日本国語大辞典
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